一般廃棄物中のプラスチック廃棄物リサイクル状況は、マテリアル4%、ケミカル3%、固形燃料1%、廃棄物発電35%、熱利用7%、で合計50%に達したが、依然として残りは、埋め立てと単純焼却によって処理されているのが現状である。しかし、埋め立て処分の場合、処分地は年々減少をたどる一方、ポリ塩化ビニル(PVC)等の難燃性材料は、焼却時にハロゲン物質により焼却炉の腐食を発生させ、ダイオキシン類等のハロゲン化合物を生成し、さらに高分子の燃焼時に排出される酸化物としての二酸化炭素による地球温暖化、酸性雨原因物質等の問題がある。また、ポリカーボネート(PC)からは、ビスフェノールAを代表とする内分泌錯乱物質と疑われるものが溶出する危険性がある。
NEDOは、地球環境保全の観点から、省エネルギー・省資源で環境への負荷が少ない化学プロセスの開発を実現するために、国家プロジェクトとして「超臨界流体利用環境負荷低減技術研究開発」を2000年から開始している。この研究に対し、弊社は、医療用途等に高分子成形品を使用している立場から、使用済みの高分子成形品廃棄物による環境負荷を低減することができ、さらに物質の有効利用を可能にする技術開発をする目的でこのプロジェクトに参加し、「プラスチック廃棄物の化学リサイクルプロセスの開発」を実施している。
現在、開発の対象としているプラスチック廃棄物は、付加重合型を代表する軟質ポリ塩化ビニルと縮重合型を代表するポリカーボネートである。
軟質ポリ塩化ビニルの化学リサイクルプロセスについては、原料を粉砕し、それを前処理として亜臨界水環境下で可塑剤を分離する方法を確立した。その結果、処理の難しかった軟質ポリ塩化ビニルの塩ビ骨格を壊さずに可塑剤を抜く技術ができ、塩ビから塩ビの物質変換(材料リサイクル)することが可能になった。さらに、可塑剤を抜いた後、塩素を分離する二段階処理法も確立し、現在、超臨界条件下で付加価値の高い物質変換を目指している。一方、ポリカーボネートについては、原料であるビスフェノールAに変換することも可能となっている。
プラスチック廃棄物の超臨界反応装置
プラスチックの変換技術
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