我々にしかできない技術を生み出し、
今後も社会の発展に貢献してまいります。

代表取締役社長 甲斐 敏彦
令和5年9月

株主の皆様には、平素より格別のご支援を賜り、厚く御礼申しあげます。
ここに日機装の事業概況をご報告いたします。

当第2四半期の業績について

インダストリアル事業は中長期的なエネルギー確保、低・脱炭素化の流れが加速し、設備投資需要が拡大しています。天然ガス価格の高止まりによってLNG関連市場が活発で、また国内ポンプ事業の主力市場である化学産業向けの製品の受注も増加しています。航空機市場は、小型機(単通路機)の需要が活況で、中型機の需要も徐々に回復方向にあるものの、世界的なサプライチェーンの再構築に時間を要しており、完成機の生産回復に遅れが見られます。メディカル事業の主要市場である血液透析市場は、国内需要は堅調に推移、海外は市場拡大の著しい中国が引き続き好調に推移しました。

この結果、当第2四半期の業績は、受注高は前期比13%減の985億円、売上収益は微減となる872億円、営業利益26百万円、税引前四半期利益は、主に円安による為替差益の計上により前期比67%増の54億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は前期比102%増の38億円となりました。なお、2022年8月に全株式を売却したLEWA社、Geveke社の業績を除いたベースで比較すると、当第2四半期の受注高、売上収益、営業利益は対前期比で大きく増加しています。

2023年12月期の見通しについて

今回、足元の事業動向を踏まえ、売上収益は前回予想から100億円増の1,900億円に修正し、営業利益は40億円の目標のまま据え置きとします。税引前利益および当期利益は、円安影響を踏まえ上方修正しています。

足元では、主力3事業の事業環境に好転の兆しが見え始めており、ポンプ・システム事業や血液透析事業は、主に海外市場の拡大により受注高・売上収益の増加を見込んでいます。航空宇宙事業ではサプライチェーンの再構築に時間を要することから、今しばらくは不透明な状況が継続するものの、航空機需要は着実な回復基調にあることから、2024年度以降の本格的な業績回復を見込んでいます。

収益面では、ポンプ・システム事業では原材料・部品価格の高騰に加え、急激な受注増に対応するための生産コストの増加など収益性向上に向けては道半ばにありますが、メディカル事業では中国を中心とした装置販売の増加や販売価格の適正化の取組みに加え、固定費低減による収益性の改善を見込んでいます。

中長期的な展望

当社は、この2023年から中期経営計画「Nikkiso 2025フェーズ2」をスタートしており、これからの3年間を持続的な成長に向けた経営基盤を固めていく重要な期間と位置づけています。

当社は、創業の時期から社会の変化とお客様のニーズの「本質」を先駆けて捉え、既存技術を磨き、新たな技術を生み出し、社会発展に必要な製品・サービスを届け、発展してきた企業です。過去、各事業の進むべき方向性を模索していた時期もありましたが、現在は、インダストリアル、航空宇宙、メディカルの各事業において、我々に求められている役割がより明確になってきたと考えています。世界でも数少ない専門的な分野の技術メーカーとして、アンモニア・水素など我々が存在感を示すことができる分野で、我々にしかできない技術を生み出し、今後も社会の発展に貢献してまいります。