FDシリーズダイアライザー

インタビュー : 2002年7月

医療機器カンパニー
事業推進第2部
小田寛巳

医療機器カンパニー
事業推進第2部
堀禎憲

開発のきっかけ

発売までの経緯を教えてください。


弊社では自社開発した透析膜を使用して、FLXダイアライザーを販売してきました。しかし、お客さまの二ーズが多様化し、そのニーズに合わせるためにFDシリーズダイアライザーの開発が始まりました。

具体的にどのようなニーズがあったのですか?


長期間透析療法を続けていると、骨の痛みをはじめ、いろいろな合併症が問題となってきます。このような症状の原因の一つとして、患者さんの体内にβ2マイクログロブリンが蓄積することが挙げられます。FLXダイアライザーは、β2マイクログロブリンを除去できる性能をもっていますが、より効率良く除去することが求められていました。

他社製品に負けないFDシリーズの売りは何ですか?

小田
β2マイクログロブリンを効率良く除去するダイアライザーは、生体にとって重要なタンパク質であるアルブミンも一緒に除去してしまう場合があります。近年、お年寄りの透析患者さんが増えてきました。お年寄りのかたは、十分に食事ができなくなるので、タンパク質を摂取する量が減っていきます。このような患者さんにはβ2マイクログロブリンは除去したいが、アルブミンは除去したくないという要望が出てきたのです。
FDXダイアライザーとFDYダイアライザーは、β2マイクログロブリンを効率良く除去できますが、アルブミンはほとんど除去されません。他社にも同じようなコンセプトの製品はありますが、β2マイクログロブリンと一緒にアルブミンも除去されてしまう製品が多いのです。

β2マイクログロブリンとアルブミンの選別が可能となった要因は何ですか?

小田
血液中の老廃物などが除去される時、透析膜に存在する小さな穴を通過します。β2マイクログロブリンはアルブミンに比べて少し小さいので、β2マイクログロブリンは通ることができますが、アルブミンは通れないようなちょうどよい大きさの穴を透析膜に開けることができ、二つのタンパク質を選別することができるようになりました。

開発について

堀さんは以前、工場にいらっしゃったということですが、開発の週程で苦労したことは何ですか?


FDシリーズに使用している親水化PEPA膜は、中空糸の内側の表面は親水性ですが、外側の表面は疎水性です。中空糸の内側と外側の表面を異なった性状にするために、製造工程と製造条件を最適化することに苦労しました。しかし、外側を疎水性としたことで、PEPA膜のエンドトキシン阻止能を維持させたまま親水化の効果を付加することができました。

お客さまの反応はどうですか?

小田
FDXダイアライザーとFDYダイアライザーは、アルブミンを漏出させませんし、FDYでは、特にβ2マイクログロブリンを効率良く除去できるので、お客さまの反応も良く、かなり期待していただいている感触があります。

今後の予定

今後、どのような販売戦略を考えていますか?

小田
第47回日本透析医学会では、FDシリーズダイアライザーに関連するランチョンセミナーを開催し、多数の参加者を集めましたし、FDシリーズに関係する発表も5件ありました。また、第17回ハイパフォーマンスメンブレン研究会でも、FDYに関係する発表が5件ありました。これらの臨床データを通して、FDシリーズの特長をいかにお客さまに訴えるか、そして、他社製品との差別化を図るためにいかに付加価値のある商品として販売いくかが今後の課題です。

最後に、今後の意気込みをお聞かせください。

小田
透析分野では、日機装は、どちらかというと機械メーカーという印象が強かったのが現状です。しかし、今後はトータルケアシステム、透析の総合化に向けて、透析装置だけではなく、ダイアライザーもしっかりしたものを作っていることをアピールし、医療関係者の方々に認めていただけるようにがんばりたいです。

安全で高機能の透析膜

ここが特徴!

  1. 親水化PEPA®膜を使用
  2. アルブミンの漏出が少ない
  3. 小分子物質から低分子量タンパク領域まで、高い除去性能をもつ

まめ知識

親水化PEPA膜って何?

血液接触面が親水性で、透析液接触面が疎水性であるという、他の透析膜には見られない画期的な構造です。
中空糸外表面と支持層は疎水性で、一般的にエンドトキシンなどの物質を吸着します。血液接触面(中空糸内表面)は親水性であるため、血中タンパク質の吸着が抑えられ、物質透過性能の低下を防ぐことができます。中空糸内表面の緻密層で血液から透析液の、中空糸外表面の緻密層で透析液から血液の物質移動をコントロールしています。

※上記の内容は掲載時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。


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