インタビュー : 2002年3月

流体技術カンパニー営業本部
営業技術部長 鈴木孝明
開発のきっかけ
どういう経緯で開発に至ったのですか?
まずは市場環境の変化です。これには3つの要因があり、一つは1995年に電気事業法が改正され、電力市場が一部自由化されたことです。対象となったのは、2万ボルトの特別高圧系統以上、2,000キロワット以上の大口の需要先です。2つめは発電所の建設コスト上昇、立地条件の制限により新規発電所の建設が難しくなったことです。3つめは、送電コストを削減するために需要のある場所で発電する動きが出てきたことです。今までは発電する場所と使う場所が離れていました。しかし、これでは送電線で半分近くの電力ロスが出てしまい経済的ではありません。
今回開発の依頼があったのは、ガス会社やプラントメーカーでした。その背景には、ガスタービンを使ったコジェネ発電設備に合う適当なポンプがなかったということがあります。また、新聞や雑誌でもコジェネ設備の必要性が出ており、開発に至ったのです。
なぜ今、分散型発電なのですか?
一つには環境問題の意識が高まってきたことが挙げられます。太陽電池、風力、水車など再生可能なエネルギーを利用していこうという動きが高まっています。また、最近脚光を浴びているのはLNGです。CO2の排出量が少ないので、非常に環境に優しいクリーンエネルギーなのです。もう一つは、分散電源の技術が進むことによって、発電コストが下がってきたことです。
また、熱電供給によりコストメリットも生まれます。タービンから出てくる熱をうまく利用してやることで、発電しながら温水や蒸気をつくることができるので、一挙両得ですよね。
今後、発電所がなくなることはありますか?
あくまでも発電所は広範囲な電力の安定供給ベースとして必要ですね。大型発電所で小回りがきかないところを分散型発電で補完しようという考え方なので、集中電源発電に取って代わることはできないと思います。
このポンプは日機装以外でもつくれるものですか?
不可能とはいいませんが、いろいろな基盤技術をもっていないとできないですね。今のところは弊社だけです。いずれは同じような製品が出てくるとは思いますが、その前に先行して市場を押さえておく必要があります。販売戦略を立ててお客さまに売り込み、他社が参入する余地を与えないように、プラントメーカーなどを訪問して説明会を行っています。お客さまの反応はすごくいいです。
開発について
開発にどのくらいかかりましたか?
実質的には10ヵ月くらいですね。当初は一年半の予定だったのですが、開発センターの絶大なる努力とがんばりで短縮できました。
開発する上で苦労した点はどんなところですか?
一つめは、小流量で高揚程のコンパクトなポンプにすることです。弊社はいろいろな技術をもっていましたのでクリアすることができました。二つめは効率性です。小流量で高揚程ですと、どうしても効率が悪くなります。それをいかに効率よくするかが難しかったですね。三つめはベアリングの寿命です。回転が速いと寿命が短くなってしまいます。従来のポンプと同程度の寿命を維持するために、ベアリングに作用する負荷を最小限に抑える工夫をしました。
さらに小型化する予定はありますか?
現時点ではありませんが、コンペティターの出現によって将来的にはあるかもしれないですね。そのため、コンペティターの動きにも注意していきたいと思います。
今後の予定
これからの社内的な営業展開はどうなりますか?
今のところは本部とクライオポンプ部を中心に営業展開していますが、今後は全国のお客さまに売り込んでいくため、各店所の営業マンにも協力してもらう予定です。2002年3月から、社内の説明会も行っています。
海外向けには考えていますか?
当然、海外にも分散電源設備はありますので、アメリカ、ヨーロッパと情報交換をしています。しかし、まずは国内で地固めをしていきます。
分散型発電設備の今後はどうなりますか?
引き合いも十数件きていますし、今後増えてくると思います。ただ、今景気が悪いですから、お客さまもすぐに設備投資するという踏ん切りがつかないみたいですね。景気が浮上すれば、分散発電設備の建設に「はずみ」がつくのではないでしょうか。
最後に、今後の意気込みをお聞かせください。
ぜひ夏ごろまでに1号機を受注して、今年度10台受注することを目標にがんばって売りたいと思います。
ガスタービンコジェネ分散電源設備用LNGポンプの特長

これで小型化に成功!
- インバータ使用による高速化→コンパクト
- 各種基板技術の集大成
- 高速技術(サンダイン、VNP)
- クライオジェニックポンプ技術
(極低温用ウェットモータ、ベアリング) - 低Ns(低流量、高揚程)ポンプ技術
- CFD(コンピューターによる流体解析)の活用
ユーザー
工場、大型ショッピングセンター、大型ホテルなど
液体を使うメリット
液体は容積が圧縮されており、ガスに比べて容積が約600分の1なので、トータルの設備容量がコンパクト!
まめ知識
コジェネって何?
コジェネレーション(共に発生)の略で、天然ガスや都市ガスなどを燃料とする原動機によって発電機を駆動し電力を発生させると同時に、原動機からの排熱を回収して、給湯や空調・プロセスの熱源などに利用する熱電 供給システムのこと
※上記の内容は掲載時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。



















