ノンシールポンプ ベアリングモニタの開発

日機装ノンシールポンプは、モータとポンプが一体構造になっているため、取扱液が漏れない。そのため、取扱液に危険が伴う化学工業分野には理想的なポンプといえる。日機装がノンシールポンプを国産化し始めた時、長年、ポンプ漏洩による危険に悩まされていた化学工業界からは旺盛な引き合いが殺到し、大変な反響を呼んだ。そして、1981年には、モータの冷却を高温の取扱液で行う超耐熱ノンシールポンプが化学プラント賞の最高峰「CP賞」に選ばれた他、1983年にも機械業界では最も栄誉のある日本機械工業会連合会会長賞を受賞し、製品の信頼性を不動のものにした。

輸入販売をはじめたころの
ケミポンプ

1955年、日機装は、米国ケミポンプ社から「ケミポンプ」の輸入販売を開始。市場の将来性を見越し、翌年には技術導入・国産化を始め、ノンシールポンプと名づけた。ノンシールポンプは、モータとポンプを組み合わせた一体構造で、軸封部がなく液が外部に漏れないという最大の特徴を持っているが、その反面、回転軸を支えるベアリングなどの消耗品が内部に入っているため、その消耗状態が外部からは全くわからないという弱点も持っていた。このため、前ぶれもなく、モータが焼損して、急停止する可能性があった。お客さまにポンプを安心してご使用いただくためには、ベアリング摩耗の予知が必要であり、そのモニタの開発が急がれた。
1971年、日機装は、世界で初めてキャンドモータのすべり軸受けの寿命予知ができる破裂板式ベアリングモニタ(機械式モニタ)を開発し、ノンシールポンプに標準装備した。しかし、このモニタは摩耗量が限界値になるまでわからず、軸受け交換時期をあらかじめ計画に組み込むことができなかったため、その後新たにサーチコイル式ベアリングモニタ(電気式モニタ)を開発。従来の機械式では検知できなかった、軸受けの摩耗量を連続検出し、その寿命を予測可能にした。

その頃から、お客さまの間では、生産設備の信頼性を向上させるために、設備診断技術を導入するところが増え始め、中でも重要箇所に使用されているノンシールポンプには、より感度の高いベアリングモニタを望む声が多かった。1997年には、ベアリングの軸方向、軸直角方向、共に摩耗状態をリアルタイムに検出できる電気式モニタ、Eモニタを開発。従来難しいとされていたベアリングの交換時期が容易に判断可能になった。また、ポンプ設置現場から遠隔地にデータを集め、連続的に記録することも可能になり、プラント全体のポンプ状況を一括して集中監視できるようにしたシステムも開発。生産コストの低減を図るため、省エネ化、省人化の要求が高まる中、このように摩耗状態を容易に精度よく傾向監視できるEモニタは、開発から26年を経てお客さまにご満足いただける製品に育った。

Nikkiso Tomorrow

現在も、ベアリングに関する研究は続けられている。目指しているのは、1.ベアリングの交換が不要になる、全く摩耗しないベアリングの開発、2.高速化、可変速化など、ポンプ回転数を変えた時に正確に対応できるベアリングモニタの開発、3.簡単に交換できる低コストのベアリングモニタの開発だ。これが可能ならば、メンテナンスの必要がない低コストのポンプが誕生する。夢のノンシールポンプの研究はまだ始まったばかりだ。

(2004年2月)

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