日機装は海外の高圧関連機器を戦後の日本にいち早く紹介し、高圧の歴史の一翼を担ってきたといえる。日機装は創業当時からボイラに高圧注入する薬液注入ポンプをミルトン・ロイ社から輸入していて、高圧になじみがあった。今や、高圧機器は先端材料の成型実験や製造、製品の性能向上、そしてバイオテクノロジー、薬品、食品などの研究開発に必要不可欠となっている。
1959年3月、故音名誉会長がミルトン・ロイ社との仲介をしていた会社の紹介で、オートクレーブエンジニアーズ社(AEI)を訪問したことに高圧の歴史は始まる。当時社長だったガッシュ氏は高圧機器の蓋のシール設計に熱中していた。会長も海軍時代に同様の問題で困った経験があり、一緒になってその方法や技術の話をしているうちに妙に意気投合。その年の7月、AEI社の販売総代理店になり、高圧バルブ、継手類、オートクレーブなどを取り扱い始めた。
しかし、販売活動を進めても、全く手ごたえがなかった。6ヵ月間受注はゼロ。当時、ポンプは10気圧で高圧ポンプと呼ばれる状況下で、700~2,000気圧とけた違いに高い圧力用の機器には、産業界からお呼びがかからなかった。そのうち、マーケットは産業界ではなく、地球物理の基礎研究を行なう大学や工業技術院の研究所であることがわかり、その後は着実に受注を伸ばしていった。またお客さまからも様々な機器の要望が出されるようになり、高圧機器のデパートを目指して、世界各国のメーカーとコンタクトし、取扱品目を増やしていった。中でも、日機装グレイロック継手は水晶発信機の素材となる人工水晶合成に威力を発揮した。
1983年、日機装はAEI社と熱間等方圧プレス(HIP)、冷間等方圧プレス(CIP)の技術提携を行い、生産を開始した。HIP・CIPは等方加圧装置で、焼結合金やセラミックスの粉末に等方圧をかけて様々な成型品を製作する装置だ。ファインセラミックなどがブームとなるにつれて、それを作る装置が話題となり、国内を中心に多くの成型装置がでるようになった。こうしたブームに乗って、日機装は、輸入貿易商から次第にメーカーの形態に変わっていった。続いて、国産装置を使いたいと日本企業から開発依頼がきたことがきっかけで、温水等方圧ラミネーター(WIL)を独自で開発。一号機と共に製作したデモ機が、後にお客さまのサンプルテストなどで活躍。そこから受注につながり、デモ機は大きな効果を発揮した。こうして積層電子材料を均等に加圧成型できるWILはセラミック系の積層電子材料の成型スタンダードと言われるまでに広がっていった。
Nikkiso Tomorrow
日機装は、2003年5月に「新型温水ラミネーター」の発売を開始した。生産効率が倍増となる注目の新製品だ。
近年、携帯電話やデジタルカメラなどの小型化にあわせて、圧着成型をするコンデンサーも同様に小型化が要求され、従来の500層以下から、700~1,000層へと圧着する要求が高まっている。このような多層で、高機能・大容量の圧着成型品に、温水ラミネーターは最も適していると言われており、またモジュールやセンサー類の圧着成型品の新たな用途も見つかり、活躍の場を広げつつある。この流れに乗って、新型温水ラミネーターの拡販が期待されている。
(2004年1月)
※上記の内容は掲載時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。



















