現在、食品から工業製品に至るまで粉を原料としているものは非常に多い。これらの製品の品質は粉体の粒子径、粒度分布に大きく依存しているが、わずか30年前にはまだ迅速に、かつ再現性よく、粒度を評価する手段が乏しかった。日機装が輸入・販売を開始したマイクロトラック粒度分析計の登場は、この状況を大きく変え、粉体技術の進歩に大きく貢献することになった。
発売開始当初のマイクロトラック粒度分析計
日機装とマイクロトラック粒度分析計の出会いは、発電所用ボイラの自動制御装置などの提携先リーズ・アンド・ノースラップ社(現ハネウェル)の開発レポートだった。1975年頃、創業以来発電技術と共に発展してきた弊社計装事業にオイルショックなどの影響が出て、電力とは異なった市場の開発が迫られていた。
マイクロトラック粒度分析計は、当時の最先端技術であるレーザー光を計測器に使用する画期的な分析装置だった。これまでは、粒子径に応じて異なる液中での沈降速度を計測する「沈降法」や、「ふるい」などが計測の主流だったが、マイクロトラックが採用するレーザー法は、波長が一定であるレーザー光を粒子にあて、その散乱光強度のパターンから粒子径と粒度分布をコンピューターで計算する新手法で、測定時間が格段に早く、再現性も良かった。そこで、弊社は1978年に同社と代理店契約を結び、本格的な販売活動に入った。最初は、お客さまに測定原理をご理解いただくのに苦労したが、多くの実証分析を元に、粘り強く営業を続けた結果、翌年待望の初号機を納入。誰にでも簡単に早く粒度評価ができるこの装置の登場は、粉体業界に大きな反響を呼んだ 。
その後、日本の各産業でファイン化(精密化)が進んだ。ファインケミカル、ファインセラミックスが代表例であった。これに対応して、1990年代半ばから3ナノメートルの粒子径が測定できるマイクロトラックUPAをいち早くリリース。現在では、国内外の大手分析メーカー数社がレーザー法に参入しているが、マイクロトラックの信頼は厚く、今もレーザー法のパイオニアとして、市場でトップシェアを守りつづけている。
Nikkiso Tomorrow
マイクロトラック粒度分布測定装置
UPA250
発売当初重量150Kg、高さ2m近くあった装置も、現在では小さな机の上に設置できるほどの小型になった。その小型化を活かし、従来では困難と考えられていた、直接製造ラインの配管に接続し、リアルタイムで連続的に測定できるインライン粒度センサーISRAを開発した。また、ナノメートル単位の粒径をインラインで測定するUPA250型も、ナノテク・バイオが注目されている今、需要の増大が期待されている。これまでの蓄積されたノウハウを生かして、日機装は今、製造プロセスライン分野においてもパイオニアと呼ばれる日を目指し、一歩先を行く製品に取り組んでいる。
(2003年12月)
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