日機装は、1965年の国内不況で大きな打撃を受けた。
当時、日機装は化学工業用ポンプの国内シェアのほとんどを
もっていたが、 そのマーケット自体が低迷してはどうしようもなく、
新市場の開拓として海外進出を決めた。
工場の前の道には“ニッキソーストラーセ”と
ローズ市長につけていただき、歓迎を受けた。
1967年、海外進出を念頭に見学した化学展“アヘマ(ドイツ)”では、ずらっと並んだ世界の機器類に圧倒された。日本のマーケットで満足していたのは井の中の蛙だったと思い知らされたのだ。そこで次の“‘70アヘマ”出展をその場で決め、1973年10月には日機装ドイチュラント(現Nikkiso Pumps Europe‐NPE)を設立。海外へ初進出を果たした。
そのNPEも今年で創立30周年を迎えるが、設立当時には多くの壁があった。防爆規格(*)(PTB)がない、ドイツ規格に合っていない、アメリカのケミポンプ(ノンシールポンプの前身)が欠陥製品との情報があるなど、切歯扼腕の思いだった。
そんな中、今までH社(競合会社)の製品を使用していた、スウェーデンのB社から初の大口受注を取った。これまでに培われた特殊ポンプの技術力や製品競争力が決め手になった。ただし、受注には、PTB防爆の認定を取得する必要があった。
この認定は、実際の熱媒(液)を使用し、対象温度まで上げて測定結果を出さなくてはいけないが、ドイツの冬は-10℃まで下がるため、放熱が多い自作のテスト装置ではなかなか昇温せず、苦労の連続だった。朝8時に開始してもテストができる温度になるのは夜8時で、夜中の2、3時までかかることも多かった。当時、水で認定取得できた日本とは違い、大変なことだった。このような試練を乗り越えて納入できたことが、その後の信頼につながり、B社は継続して注文くださる得意先になった。
*防爆規格とは… 爆発のおそれのある場所で安全に使用できるよう、電気機械器具に適用する技術的手法
Nikkiso Tomorrow
2003年、欧州ではCEマークに防爆認定が必要になった。そのため汎用ポンプやマグネットポンプは、モータだけでなくポンプ全体で規格を満たす必要がある。その点、ノンシールポンプはモータとポンプが一体型のため、既にポンプ全体で防爆認定を取得している。開設当初の苦労・経験が今につながっているのだ。「この1~2年が他社を引き離す勝負時だ」と加瀬顧問は話す。
また、「今後の海外展開においては、欧州の大手化学会社やエンジニアリング会社に食い込むことが第一の課題。ドイツのB社からは過去の実績が認められ、2002年、サプライヤーに認定された。
(2003年10月)
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