今から44年前…。心臓は「生命と魂の宿る聖なる臓器」として、神秘化され、メスを入れることはタブーとされていた。
現在では全世界で年間100万人以上の方々が心臓手術を受けている。
日本最初の人工心臓
1959年2月一人の男性が日機装を訪れた。のちに人工臓器界の世界的権威となる東京大学医学部木本外科の渥美和彦先生だ。人工心臓ポンプの試作を引き受けてくれる会社を探していた。
当時日機装の社名は『特殊ポンプ工業』。渥美先生は、畑違いの依頼に難色を示す当時社長であった故音桂二郎名誉会長をこう説得した。「心臓は特殊ポンプですよ」と…。
材質の選定から脈拍の波形を出すこと、圧力が強くくり返しも大きいのですぐ壊れることなど、苦労が多かった。実験中、立ち会った社員が失神したこともあった。
寝ずの苦労の末、翌1960年7月試作1号機が完成。同年に行なわれた実験では自己の心臓のない犬が5時間30分まで生存記録を伸ばし、当時としては画期的な成功を収めた。
故音名誉会長はこの一連の出来事の中で人体の自動制御作用のすばらしさを知った。人間の理論では到底理解できないすばらしい機能をもっていると。この強烈な印象が後の日機装を医療機器分野に進出させるきっかけとなったのだった。
(2003年9月)
※上記の内容は掲載時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。



















