2. 光の基礎理論
2-3. ミーの散乱(Mie scattering)
G.Mieは1908年に、均一媒質内に存在し、任意な直径を持ち、任意材質の均一な球による平面単色波の回折を、電磁気学によって取り扱い、厳密な解を得ることに成功しました。この散乱現象が私たちに取っては非常に大事な散乱となります。
ミー散乱の散乱光強度は、

(3-2式)
i1 =垂直方向のミー強度パラメータ
i2 =水平方向のミー強度パラメータ
この式は、非偏光光線つまり色々な波面を持った光を当てた場合の式ですが、垂直偏光だけでは、

平行偏光だけでは、

と表されます。
強度パラメータi1 、i2 は、屈折率m 、粒径パラメータα(
)、および散乱角θ の関係で表されます。 (粒径パラメータαについては、後でもう少し詳しく説明します。)

図-7 Mie強度パラメータと散乱角との関係
実線はi1 、破線はi2
m =1.33の水滴
また、粒径パラメータαを変化させた場合の散乱光の強度パターンは図-8~10のようになります。図-8のパターンは先に示したレイリー散乱のパターンに近づいている事がわかります。

図-8 粒径パラメータによる散乱分布の変化(α=1)
また図-9、10に示すパターンを見てください。
光路に対して角度ゼロ、つまり、光の進行方向の強度と垂直方向の強度を比較するとαが大きいほど、光の進行方向(前方)に発生する散乱光(これを前方散乱という)の方が大きくなっていくのがわかります。

図-9 粒径パラメータによる散乱分布の変化(α=3)

図-10 粒径パラメータによる散乱分布の変化(α=10)
このミー散乱が重要なのは、私たちが取り扱っている粒度分析計の測定範囲のかなりの部分がこれに入っているからです。
しかしこのミーの散乱を数学的に解くには非常に難しい要素があります。既にこのミーの式をコンピュータで解くプログラムも開発されていますが、難しい事には変わりなく、この問題をいかにクリヤーするかが粒度分析計メーカーのノウハウになります。
次は回折の話です。
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